【若者の車離れに関する意識調査】Z世代の「車離れ」の実感は肯定と否定が半々!しかし、普通自動車免許の取得率は高い傾向に…?
約7割のZ世代が普通自動車免許取得は「移動手段の選択肢が増えて便利」と肯定的
Z世代の方を対象に、「若者の車離れ」に関する意識調査を実施しました。
若者の車離れは21世紀以降の日本の社会現象であり、特に都市部の若者は車を所有しない傾向があるといわれています。
では、実際にZ世代の方はどの程度車を所有したいと思っているのでしょうか。
そして、Z世代の方は「若者の車離れ」を実感しているのでしょうか。
そこで今回はZ世代の方を対象に、「若者の車離れ」に関する意識調査を実施しました。
<調査サマリー>
・Z世代の約7割が普通自動車免許を取得している
・普通自動車免許を取得した理由は「移動の便利さ」「通勤・通学で必要」「仕事で必要」
・車を所有している・所有したいというZ世代は6割以上
・Z世代の「若者の車離れ」に対する実感は肯定と否定が半々という結果に
・「普通自動車免許を取得していると便利」と回答したZ世代は約7割
調査概要:「若者の車離れ」に関する意識調査
【調査期間】2025年6月5日(木)~2025年6月6日(金)
【調査方法】PRIZMAによるインターネット調査
【調査人数】1,003人
【調査対象】調査回答時にZ世代と回答したモニター
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
普通自動車免許を取得しているZ世代は約7割!
はじめに、「普通自動車免許を取得しているか」と尋ねたところ、『いいえ(32.2%)』と回答した人は約3割にのぼりました。
しかし、Z世代の約7割が普通自動車免許を取得しており、「免許取得」の需要は依然として高いことが明らかになりました。免許を取得していない人も一定数いる一方で、年齢的に進学・就職など生活の変化の多い世代であることから、居住地域や行動範囲、生活スタイルなどに応じて取得を選択している方が多いと推察されます。
では、免許を取得した理由・取得していない理由はどのようなものなのでしょう。
前の設問で『はい』と回答した方に、「普通自動車免許を取得した理由」について尋ねたところ、『車で移動できると便利だから(34.9%)』が最も多く、『通勤・通学で必要だから(33.8%)』『仕事で必要だから(21.8%)』と続きました。
「移動の便利さ」「通勤・通学で必要」「仕事で必要」と、日常生活での利便性・必要性が重視されていることがわかります。現実的な理由が優先されており、Z世代は車への憧れや趣味といった理由で普通自動車免許を取得する方は少ない傾向が示されました。
また、都市部では公共交通機関が発達していますが、地方では移動のために自動車が不可欠であることも関係していると考えられます。
前の設問で『いいえ』と回答した方に、「普通自動車免許を取得していない理由」について尋ねたところ、『車以外の移動手段で十分だから(36.8%)』が最も多く、『運転に不安を感じるから(30.7%)』『免許取得に割く時間がないから(27.9%)』と続きました。
約4割が「車以外の移動手段で十分」と回答しており、普通自動車免許を取得していないZ世代の多くが、公共交通機関などの移動手段を利用しやすく、車が不可欠ではない生活をしていることがうかがえます。また、「運転が不安」という心理的なハードルや、「時間がない」という多忙さも影響していることがわかりました。
6割以上のZ世代が車の所有に意欲的
では、車を所有したいと思うZ世代はどの程度いるのでしょう。
「車を所有したいと思うか」と尋ねると、下記のような回答結果となりました。
『すでに車を所有している(36.4%)』
『所有していないが、今後所有する予定(9.5%)』
『所有していないが、所有したいと思う(19.0%)』
『所有しておらず、所有したいとも思わない(35.1%)』
すでに所有している・所有したいという方が6割以上と、車の所有について意欲的な方が多い傾向が示されました。このことから、Z世代の過半数は車の利便性や必要性を実感していることがうかがえます。
前の設問で『すでに車を所有している』『所有していないが、今後所有する予定』『所有していないが、所有したいと思う』と回答した方に、「車を所有している・したい理由」について尋ねたところ、『移動するのに便利だから(64.5%)』が最も多く、『移動の自由度が高くなるから(43.8%)』『旅行や遠出がしやすくなるから(39.0%)』と続きました。
普通自動車免許を取得した理由でも最も多かった「移動の利便性」についてが6割以上という結果になり、車の所有意欲の根底にも同様の価値観があるようです。
続いてあげられた「移動の自由度の高さ」「旅行や遠出のしやすさ」といった利点は、普通自動車免許を取得した理由である「必要性」ではなく、車を所有することによって得られる生活の質の向上や楽しみの拡大が重視されており、普通自動車免許取得と車の所有ではその理由に違いがあることがわかりました。
続いて、前の設問で『所有しておらず、所有したいとも思わない』と回答した方に、「車を所有したくない理由」について尋ねたところ、『維持費の負担が大きいから(48.0%)』が最も多く、『車に興味がないから(33.0%)』『所有する必要がないから(27.6%)』と続きました。
「維持費の負担」が最も多く、ガソリン代の高騰など経済的な要因が車離れに影響しているようです。
また、「興味がない」「所有する必要がない」も上位にあがり、車は生活の一部であるという価値観が昔よりも薄れている様子がうかがえます。
特に都市部では公共交通機関が充実し、カーシェアリングなども普及しているため、車を所有するメリットを感じにくい層が増えていることも考えられます。
では、Z世代は「若者の車離れ」を感じているのでしょうか。
「『若者の車離れ』についての実感」について尋ねたところ、下記のような回答結果となりました。
『とてもそう感じる(17.2%)』
『ややそう感じる(36.8%)』
『あまりそう感じない(28.0%)』
『まったくそう感じない(18.0%)』
「そう感じる」「そう感じない」割合はそれぞれ約半数で、「そう感じる」方が多くはありますが、あまり偏りのない結果となりました。
Z世代は車が必要な層とそうでない層が混在しており、都市部と地方、多様な生活環境や価値観、移動手段の選択肢の多さなどが影響していると考えられます。若者の車に対する意識やライフスタイルには幅広い多様性が見られることが示されました。
約7割が普通自動車免許を取得していると便利だと思っている!
では、Z世代は普段どのような移動手段を利用しているのでしょうか。
「普段利用する移動手段」について尋ねると、『電車(53.4%)』『徒歩(52.2%)』『車(カーシェアリング以外)(39.6%)』が上位となりました。
半数以上が「電車」「徒歩」と回答しており、特に都市部での移動手段の主流であると考えられます。
また、「車(カーシェアリング以外)」も約4割と上位にあがり、地方での主な移動手段であることがうかがえます。
移動手段としてはカーシェアリングなどの新しい選択肢も増えていますが、Z世代はどのように捉えているのでしょう。
「カーシェアリングやレンタカーなどの移動手段を利用できたら便利だと思うか」と尋ねたところ、下記のような回答結果となりました。
『とてもそう思う(17.0%)』
『ややそう思う(33.7%)』
『あまりそう思わない(25.7%)』
『まったくそう思わない(23.6%)』
「そう思う」「そう思わない」の割合はそれぞれ約半数となり、移動手段の選択肢として一定の支持を得ているけれど、利便性を感じるかは個人差が大きいことがうかがえます。また、都市部か地方かでも利用のしやすさには差があるため、偏りのない結果になったと考えられます。
では、普通自動車免許を取得していることの利便性についてはどのように思っているのでしょうか。
「普通自動車免許を取得していると、移動手段の選択肢が増えて便利だと思うか」と尋ねると、約7割が『とてもそう思う(39.5%)』『ややそう思う(34.4%)』と回答しました。
多くのZ世代が普通自動車免許を取得していると便利だと思っていることが明らかになりました。車を運転できることで、公共交通機関の利用が難しい地域や時間帯でも柔軟に移動できる利便性を実感していることがうかがえます。また、旅行や遠出、緊急時の移動手段というニーズも考えられ、車離れしているといわれるZ世代においても、移動の自由度を高める手段として、普通自動車免許取得は重要な選択肢となっていることが示されました。
今回の調査で、Z世代の車離れに対する意識が明らかになりました。
Z世代の約7割が普通自動車免許を取得しており、その理由として「移動の便利さ」「通勤・通学で必要」「仕事で必要」が上位にあがりました。
「若者の車離れ」といわれますが、日常生活における利便性や必要性から、多くの方が普通自動車免許を取得している実態が明らかになりました。
車の所有については、6割以上が所有している・所有したいと前向きな回答をしており、「移動の利便性」「自由度の高さ」「旅行や遠出のしやすさ」という生活の質の向上についてがその理由としてあげられています。
一方、車を所有していない理由としては「維持費の負担」「興味がない」「所有する必要がない」が上位にあがり、物価の高騰や、都市部では他の移動手段の選択肢が豊富であることが影響しているようです。
「若者の車離れ」を実感しているかという問いに対しては、感じる・感じないがほぼ拮抗する結果となり、Z世代の中でも車に対する意識は一様ではないことが示されました。
普通自動車免許を取得していることの利便性については、約7割のZ世代が「移動手段の選択肢が増えて便利」と肯定的に捉えており、運転能力そのものの価値は高いことがわかりました。
Z世代の「若者の車離れ」に対する意識は肯定と否定が半々で、都市部と地方、それによる生活環境などが影響していることがうかがえる結果となりました。
しかし、普通自動車免許を取得している割合は高く、車という移動手段を「選べる状態」にあることは重要であるという、Z世代の意識が浮き彫りになりました。